前回 、その1でブリティッシュアメリカンタバコ(BTI) の配当の今後を考えていくうえで、従来からのタバコ(紙巻タバコ)と新規カテゴリー製品の売り上げの推移を把握することが重要と述べました。今回は実際にどのように推移しているか見てみましょう。
その1をまだ読まれていない方は、まずはその1からご覧いただけると幸いです。
ブリティッシュアメリカンタバコ(BTI) 全体の売り上げの推移
まずブリティッシュアメリカンタバコ(BTI) の売り上げの推移を見てみましょう。2021年の上半期の売り上げです。まずタバコ(紙巻タバコ;Total Combustibles)については、2020年が10,854£mに対して2021年は11,485£m (日本円で約1兆7347億円)と5.8%も売上げが伸びています。
一方で、新カテゴリー製品については、2020年が628£m に対して、2021年は942£m (日本円で1442億円)で50%近い売り上げの伸びです。
新カテゴリー製品で最も売り上げ高が高いのが電子タバコ(Vapour)で、 2021年は423£m (日本円で638億円) になっています。売上が伸びているといっても、電子タバコは紙巻タバコの1/27の売り上げしかありません。新カテゴリー製品全体の売り上げでいっても、紙巻タバコの1/12です。
地域別にみたブリティッシュアメリカンタバコ(BTI) の売り上げの推移 (アメリカ合衆国)
続いて地域別の売り上げの推移です。まずはアメリカ合衆国での売り上げです。まず面白いのは、アメリカは、加熱式タバコの売り上げがないことです。アメリカでは販売していないのでしょうか?
紙巻タバコについては、アメリカでは5,255£m (日本円で7938億円)と前年比8.1%の売り上げの伸びでした。アメリカは、ブリティッシュアメリカンタバコ(BTI)の売り上げが最も多い国です。そのアメリカにおいても、紙巻タバコの売り上げは減っていません。
一方で、新カテゴリー製品については、267£m (日本円で403億円)と前年比から55.1%と高い伸びを記録しています。しかし、その売り上げは紙巻タバコの1/20です。
地域別にみたブリティッシュアメリカンタバコ(BTI) の売り上げの推移 (アジア太平洋地域と中東)
つづいて、アジア太平洋地域と中東(以下;APME)です。APMEにおいても紙巻タバコの売り上げは前年比で6.7%伸びていました。
一方で、新カテゴリー製品の売り上げが唯一減少していた地域がAPMEで1.1%減となっていました。特に加熱式タバコ売上げが伸び悩んでいることがわかります。
地域別にみたブリティッシュアメリカンタバコ(BTI) の売り上げの推移 (南北アメリカ大陸とサブサハラアフリカ)
南北アメリカ大陸とサハラ砂漠以南のアフリカ(以下;AMSSA)においても加熱式タバコの売り上げはないようです。
AMSSAにおいても紙巻タバコの売り上げは8.7%伸びていました。
新カテゴリー製品の売り上げも前年比で74.8%伸びてはいるのですが、その売り上げは紙巻タバコの1/33しかありません。紙巻タバコが根強く残っている印象です。
ブリティッシュアメリカンタバコ(BTI) の売り上げの推移 (ヨーロッパと北アフリカ)
ヨーロッパと北アフリカ(以下;ENA)については、唯一紙巻タバコの売り上げが前年比-1.2%と減っていました。
一方で、新カテゴリー製品の売り上げは373£m (日本円で563億円)と前年比で113.5%と最も高い伸びでした。新カテゴリー製品の売り上げも地域別でみるとENAが最も高くなっています。
紙巻タバコから新カテゴリー製品への移行が最も進んでいる地域といえると思います。
全体の売り上げと地域別の売り上げのまとめ
驚くべきことに、ブリティッシュアメリカンタバコ(BTI)の2021年上半期の紙巻タバコの売り上げは前年と比較すると伸びていました。
さらに地域別でみても、紙巻タバコの売り上げは、ヨーロッパと北アフリカ以外の地域ではすべて伸びていました。唯一売り上げが減っていたヨーロッパと北アフリカにおいてもわずかに1.2%の減少を認めるのみでした。
新カテゴリー製品の売り上げは、紙巻タバコの売り上げの1/12しかありませんでしたが、前年比50%増の高い伸びを見せています。
新カテゴリー製品については、ヨーロッパと北アフリカでもっとも伸びていました。紙巻タバコの売り上げの推移と併せて考えると紙巻タバコから新カテゴリー製品への移行が進んでいる地域と思われます。
一方で、アジア太平洋地域と中東では唯一新カテゴリー製品の伸びが見られていませんでした。
ブリティッシュアメリカンタバコの今後の配当の見通し
地域ごとの特色はありますが、紙巻タバコ、新カテゴリー製品のいずれでも201年上半期は売り上げが伸びていました。
紙巻タバコ、新カテゴリー製品のいずれも売り上げが伸びている現状においては今後も増配が維持されると考えていいのではないでしょうか?
ひだまりは増配ストップとなるのは、新カテゴリー製品の売り上げ成長が止まった時、もしくは大幅な紙巻タバコの売り上げ減が見られた時のいずれかだと思っています。少なくともそれまでは、現状の増配は維持されると思います。
今後も、ブリティッシュアメリカンタバコの紙巻タバコと新カテゴリー製品の売り上げに注視していこうと思います。
注 ひだまりはタバコの健康被害は認識しており、喫煙については決して推奨していません。
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