こんにちは。今日は、お医者さんの書く論文について解説します。
よくお医者さんのドラマなどで、「○○先生は△△の最新論文を読まれましたか?」「××の論文を完成させるためだ!」みたいなセリフを聞いたことがあると思います。この論文が、実際に医療の現場ではどのような位置づけなのか、ひだまりの個人的な見解で述べてみたいと思います(あくまでひだまりの個人的な見解です)。
和文と英語論文
一般的に論文は、和文と言って日本語で書かれた論文と、英語論文にわけられます。その中でも、特に論文として評価されるのは、英語論文です(もちろん和文も大切です)。英語論文とっても、下記の点を満たしていることが特に重要視されます。
- Pubmedという論文の検索サイトに載っている。
- 論文が掲載された雑誌にインパクトファクターがついている。
インパクトファクター
このインパクトファクターが曲者です。インパクトファクターとは、論文が掲載された雑誌が、1年間にどれくらい引用されているかの指標です。当然、有名学術誌などでは、引用される回数も多いのでインパクトファクターが高くなります。インパクトファクターの合計点数が大学教授などの審査基準の1つになるとされています。特に世界的に有名な学術誌New England Journal of Medicineでは、インパクトファクターが91.245点(2020年)もあり、この雑誌に1本でも論文が掲載されたことがあるだけで教授になれるという噂があります。お医者さんの間では「○○先生の論文がインパクトファクター△△点の論文にアクセプトされた」などのよく話のネタになります。毎年6月にインパクトファクターが更新・公表されるます。ひだまりは、自分が掲載されたことがある雑誌のインパクトファクターがどれくらいになっているのか確認するのが6月の小さな楽しみです。
英語論文を書くことの意義
一方で、近年は論文を書いてもお金にならないとか、実際の臨床の役にたたないとか否定的な意見あります。実際に、市中の大きめの病院に勤務しているひだまりですが、英語論文を書いても出世や、給料に影響している感じはまったくありません。患者さんの立場からしても、主治医の先生が書いた英語論文を把握している人はほとんどいないと思います。
ひだまりが思う英語論文を書くことのメリットは
- 自分の仕事が目に見える痕跡になる。
- 論文に付随して、講演会や原稿などの仕事の依頼がくる。普段の病院業務以外の仕事の幅が広がる。
- 論文を書いたことがある人の視点で、ほかの人の書いた論文が読める。
- 客観的・合理的に物事を判断する力がつく。
- 国内外の同様の研究をしている先生から意見がもらえる。
- 後輩の先生に少しだけ自慢ができる。
などになります。これがあまり魅力的でないなら論文を書くことはつまらないかもしれません。
結局ひだまりは英語論文肯定派?否定派?
ひだまりは英語論文に関しては、肯定派か否定派かと言われるとやや肯定派くらいでしょうか。1つの論文を書くのには膨大な時間と、お金もかかります。大学や研究機関での勤務でなければ、仕事内容・家庭状況を加味して書くか書かないか決めればいいのではないかと思います。後輩の先生に聞かれた時は、このようなことを伝えています。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。免責事項も御一読お願いします。
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